「圧政の循環の破壊」

圧政の循環の破壊

アッラ・ラレス著

カバナントの生意気で未熟な王国が人間の帝国を再建しようとしている。未熟すぎて、帝国とは失敗した実験にすぎず、その時代は終わったということもわからないのだろう。これはニルンの者全員にとっての危険であり、タムリエルはあのような学ばぬ蛮族の存在を許すわけにはいかない。シロディールを揺るがし、世界の破壊を防ごうという我々の努力を脅かしているあの蛮族共の存在を。

エボンハート・パクトは、ダガーフォール・カバナントに暴君の血の手に染まった王朝を建設させはしない。歴史上何度も、人間の軍はタムリエルの辺境から中心部を征服しようと攻め入り、束の間の権力を楽しんだのち必ず不和を生じ衰退した。この有害な循環は今回限りで、永遠に葬り去るべきだ。カバナント軍を倒し、奴らの王を退位させ、反省した後継者を新たなタムリエル・パクトに取り込み、賢者が勝利するべき時だ。


圧政の循環の破壊



「エボンハートパクトへの案内」

エボンハートパクトへの案内

エボンハート・パクトはモロウウィンド、スカイリム、ブラック・マーシュまでの広範囲に広がる各国に結ばれた予想外の同盟で、ダークエルフ、ノルド、自由アルゴニアンが共同防衛のためにまとまったものである。同盟国の大きさと距離のおかげで、パクトは内部の反目や不協和音とは比較的無縁な状態にある。ノルドとダークエルフには自国内で取り組むべき案件が非常に多く、お互い相手に干渉する時間がほとんどない。

エボンハート・パクトが生まれたのは第二紀572年、タムリエル北部への第二次アカヴィリ侵攻に対応するためだった。ノルド、ダークエルフ、自由アルゴニアンは、タムリエルの残りの地域を虐殺と隷属から救うために力を結集した。戦時中に結ばれたこの同盟は、大陸に急に登場した新興勢力となった。最初はダークエルフが昔からの宿敵および以前の奴隷との同盟を維持できると信じた者は少なかったが、色々なことがあった十年が過ぎたのちも、パクトは強力で無傷のままだった。

パクトは「グレートムート」が支配する。各国の種族代表が平等に扱われるこの評議会は、短気と大声で知られるだけでなく、相互の尊重と、どんなことがあろうとパクトを維持しようという驚くべき意志でも有名だ。平等でなければ、ノルドとダークエルフの誇りを満たし、以前は奴隷にされていたアルゴニアンの傷を癒すことができない。

不可欠、というより同盟の最も重要な一部であろうモロウウィンドのダークエルフは、よそよそしく誇り高く、そして非常に奇妙である。彼らは懸命に「劣等の」同盟国への軽蔑を隠そうとするが、現在の危機で競合する他同盟を寄せつけないためには、ノルドの強い武力とアルゴニアンの策略に富んだ機知が必要なのだ。ダークエルフは天才的な器用さと深い経験を武器にして、パクトに不可欠な反応と即応能力を提供している。アルドメリ・ドミニオンにもダガーフォール・カバナントにもこれほどの力はない。パクトは優秀な戦士と妖術師を配置している。そして他の種族には匹敵するもののない財産がある。3人の生き神、アルマレクシア、ヴィベク、ソーサ・シルがその中にいることだ。

スカイリム東部のノルドは恐れを知らず攻撃的で、勤勉かつ進取の気性に富む。彼らは戦争に秀で、交易で栄え、探検家、開拓者として他に並ぶ者はいない。力強く、頑固で、たくましい彼らには戦いで問題解決を図る習慣がある。ノルドは陽気に戦闘になだれこみ、その獰猛さは敵を恐れ震撼させる。彼らはそれを認め、エボンハート・パクトのための突撃隊という役割を楽しんでさえいる。ノルドは率直でたくらむところがない。そのためグレートムートの会議では単純な解決法を支持するが、悪賢いアルゴニアンや抜け目のないダークエルフに投票で負けることもよくある。しかし戦場において彼らに勝る者はいない。パクトの将軍はノルドであることが多く、戦場の戦士のほとんどもまたノルドである。ノルドにはこだわりがない。これは戦利品を最初に獲得するという意味でもある。

アカヴィリに対して決然とした武力介入したことにより、ブラック・マーシュのアルゴニアンはダークエルフの奴隷状態から自由を獲得し、その教訓から彼らはパクトの重要な一員となった。控え目かつ異質な彼らの無表情と抑揚のない話し方は他の種族に真の動機を理解させづらくしている。それでも彼らには冷静な知性がある。信頼するのは遅く、理解するのは難しいが、生得の敏捷性のおかげで、彼らは魔法も隠密活動も武器も同じように軽々と操ってみせる。長年国境を防衛してきたため、戦争において、より強力で昔ながらの組織化された軍隊に対しての専門家である。陸でも水中でも同じようにやすやすと動ける彼らは、パクト軍のために偵察隊、前衛隊の役割を果たしている。アルゴニアンの文化の他の側面は部外者にはほとんど理解不能で、そこには彼らの社会的階級や集団意思決定も含まれる。彼らの代表が説明なしに奇妙な提案をすることがあるが、同盟国は彼らのやることにすべて必ず理由があることを学んだ。

今日、スカルド王の若きジョルンがムートの実質的上級王になっているが、必ずしも同盟全体の支持を得ているわけではない。パクトの一員として同盟を維持し結束させるために奮闘しながらも、各国は各々内部の脅威にも対応しなければならない。野戦でドミニオンやカバナントと対面する前に、未解決のこうした脅威のために自滅する可能性もある。


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「クログの裏切り」

クログの裏切り

大いなる宣言を聞いただろう。オルシニウムは生まれ変わった。これからはエルフ好きのブレトンが我々の友人で、裏切り者のレッドガードが我々の味方だ。

我々を歓迎する――そう彼らは言う。我々が必要なのだと。嘘っぱちだ。

「偽りの族長」クログなら、ダガーフォール・カバナントは我々の未来だと言うだろう。さすがは自分の部族を見捨てた傭兵だ。クログは困窮し飢えに苦しむ仲間を尻目に、エルフと金のためにその手を血で染めた。この歯なしのチビなら、我々を鎖につないででも、我々を殺戮したブレトンやレッドガードのために戦わせるだろう。

オルシニウムの兄弟姉妹を忘れてしまったのか?「豚の子ら」を征服すべく聖戦を始めたのが誰か、忘れてしまったのか?

今友人を装っているその同じブレトンとレッドガードが、我々をタムリエルから一掃しようとしたのだ。我々の田畑が駄目になり、我々の家が焼け落ちた今、臆病で嘘つきな連中が、我々から盗み取った土地を差し出すという。

我々は敵と和解するというのか?汚らわしい魔術と裏切りで我々から盗み取ったものを返すからといって、奴らに感謝すると?

クログの甘い言葉にだまされてはならない。奴の卑怯な所業の数々に目を向けよ。そして、命をなげうって我々を自由にしてくれた祖先に目を向けるのだ。このダガーフォール・カバナントとやらは、我々の首に巻かれた鎖にほかならない。

奴らは我々を飼い犬にしたがっている。奴らに思い出させてやれ――我々がオークだということを!奴らの言う「上級王」になど、我々は頭を下げはしない!

「偽りの族長」クログを倒せ!

「奴隷王」エメリックを倒せ!


クログの裏切り

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