「エリンヒルの繁栄」

エリンヒルの繁栄

魔術師の街との取引について
ハロルド・ファーフライ著

クラグローンのある場所、文化の光が輝くと言われる場所がある。エリンヒルの輝く街だ。

古代の魔術師の塔、エルフやヨクダがクラグローンに目を止める前の、風変わりな異国の記念碑を見ればすぐにわかるだろう。エリンヒルは学者と魔術師が他の野性的な住民に対して、文明の力を示すために立っている。

第二紀の始まりまで、エリンヒルはもう少し野蛮で、秩序のない僻地だった。クラグローンの大半のように、帝国の生活が合わない者達によって植民された。そのようなので大変危険な場所であり、本当の指導力や統治の為の法律は欠けていた。そして定期的に、山賊とアイアンオークの襲撃者から略奪の標的にされていた。

しかし第二紀の当初、クラグローンで彼らの技の修業をするために、輝かしきフェリックス「ブラックキャスター」アウグストゥスが率いる魔術師のグループが、魔術師ギルドの安定と制約から離れた。

一般的な神話によれば、ブラックキャスターと彼の魔術師たちは乱暴でモラルに問題があり、魔術師ギルドの権威に抵抗する、訓練されていない境界の魔術師以外の何者でもないことを示している。この物語は、今でもクラグローンに残る無法な要素によって残っている。その話を信じれば、最初にエリンヒルに入植した魔術師たちは、もはや街を定期的に敵に襲う山賊よりも文明的な影響を持っていない。

これ以上真実から遠い話はない!帝都の魔術師ギルドの記録を調べるだけで反証できる。実際のところ、フェリックス・ブラックキャスターは高位のギルドメンバーだったのだ。彼がギルドを去った理由は、規律や訓練に関する意見の相違とまったく関係がない。ギルドの範囲にない、新たな領域を求めただけである。書簡によれば、ブラックキャスターはエリンヒルの指導者が頂きの協定に署名してから、ギルドの上官たちと10年も連絡を取っていたようだ。

この書簡はブラックキャスターやエリンヒルへ到着した他の魔術師たちの状況に十分な光を当てている。彼らが無法な人々に、指導と保護を受け入れるよう説得した期間についても。わたしは詳細を述べる気はないが、要約する。ブラックキャスターとその魔術師は、その時空だった頂きの塔に興味をそそられ、以前に市長(実際には単なる軍閥の長だった)へ入る許可を求めていた。何回も拒否されたため、彼らは失望して冒険を諦めようとした。

しかし、彼らの運はアイアンオークが山から来て街を包囲した時に変わった。その目を見張る力を使って、ブラックキャスターと彼の魔術師たちはオークを追い払い、エリンヒルの移り気な愛を勝ち得たのだ。彼らはブラックキャスターを新しい市長にし、そのすぐ後に頂きの協定が結ばれた。この日に結ばれた条約は、今日まで続いている。エリンヒルの頂きの塔の魔術師たちは、街が彼らの魔術学校の運営を支援する限り、この市を守ると宣言した。

アイアンオークの出現は、見かけ通りの出来事ではないと主張する者もいた。彼らはブラックキャスターと魔術師がエリンヒルの人々を味方に引き入れるために、オークと取引をしたと宣言さえした。私はこの示唆は、曖昧で侮辱的だと思っている。このような策略はフェリックス・ブラックキャスターの人物像と評判には相応しくないし、アイアンオークは交渉や協力によって妥協しないことで悪名高いという事実には触れていない。

頂きの協定の時代から今までの真実は、エリンヒルがクラグローンの野生の中の文明に優れた中心となり、ブラックキャスターの魔術師たちの導きと保護の元で繁栄したということだ。


エリンヒルの繁栄


この本の画像を全部見る

「亜熱帯のシロディール:推論」

亜熱帯のシロディール:推論

タネスのレディ・シンナバー著

あの老いぼれペテン師、エリンヒルのファラスタスの「シロディールのハートランド」によれば、ニベンの谷とコロヴィアの丘は常に温暖な気候に恵まれており、初期にシロディールを亜熱帯の密林と呼んだのは、単なるヘイムスクルの誰かの間違いということだ。

本当に?では、ヴァータセンが「ホシルの配置」で言及した「シュロの葉を振る」とは何なのか?コーセイの「タムリエル論文集」の「密生した密林がルマーレ湖畔を覆っていた」とは?これも同じように逸脱した書写者の間違いだというのか?

いいえ、私は三千年前のシロディールの気候は、現在よりも温度も湿度も高かった可能性が高いと考える。ハートランドの環境は変わった。と、すれば疑問が残る。どのように?

私はこの疑問について熟考を重ねた上で、ある仮説を提示したい。とはいえ、私はヴァヌス・ガレリオンや〈告げ示す者〉ベレダルモのような深い神話歴史の学者ではない。だから、以下はただこう呼ぶことに使用…1つの推論、と。

タムリエルはニルンの中心にある。シロディールはタムリエルの中心であり、シロディールの中心には定命の者によって作られた偉大な建造物である帝都の白金の塔がある。これは、エドラが自ら建てたと言われているタムリエルで最も古い建造物のアダマンチン(またはディレニ)の塔に明白に対抗し、真似て作られたものだ。

これは単なる敬意や思いつきや偶然ではない。白金がアダマンチンの形状に似せて建造されたのは、最初の塔の疑いようのない神秘的な特性を模倣するためだ。そして、模倣するためだけでなく、その中心地というより立地により、増幅させるためでもあった。

この神秘的な特性とは何か?これは我々を塔の伝承の領域、学術的な矛盾をはらむ世界へと導く。しかし、シンプルかつ論争を招くことのない概要を示すことを試みてみよう。

エドラがロルカーンから説得されて、あるいは騙されてムンダスを創造してしまった時、ニルンの物質的な姿は複数の接合部からなる骨組みにぶらさがっていた。それらの1つ1つは、明白な現実を明らかにしていた。それがそのまま世界の骨格であるという現実を。

この神秘的な接合点のうちの1つにエドラは偉大な建造物、アダマンチンの塔を建てた。そして、そこでロルカーンとムンダスの運命を決定付ける秘密会議を行った。後に定命の者の魔術師が塔を発見し、これの現実を支持する特性について推定した。その後、神話紀時代のエルフがそれに倣い、他の接合点に白金と水晶の塔を造った。

このことによって、原初のエルフは何を達成したかったのか?私は、領域の中で共同の「所有物」であったこのような塔を通して、エルフは時間とともに彼らの地域の現実を彼らの欲望に適合するよう実質的に修正したのだと考える。

従って、水晶の塔の領域にあるサマーセット諸島は、暖かく、楽園のような領域で、完璧にアルトマーに適合した。そしてシロディール、より強力な白金の塔の領域に位置するここは、暖かく、気楽さを愛するアイレイドに適した亜熱帯の密林となったのである。

しかし、それからハートランドのハイエルフの奴隷が彼らの主人に対して反乱し、ニベネイの谷を征服して、アイレイドの支配は終わった。それ以降、白金の塔はより寒い、北方の気候の中に起源を持つネード及びシロ・ノルドが居住する人間の帝国の中心であった。そして、シロディールの塔は新たな主人の欲望に答えたのである。

そしてその、私が確信していることが、どのようにハートランドが亜熱帯から温暖な気候へと変化したのかという問いへの答えだ。つまり、ひとたび人がシロディールを支配したら、その地域の現実が彼らの要望や希望に合致するように変化したのだ、ということだ。ゆっくりと、恐らくほとんど気づかれないくらい少しずつ、しかし容赦なく変化したのだ。シロディールが現在我々が知る、温暖な森と野原の領域になるまで

では、これは事実だろうか?私はこの謎に対する回答を推測した?私にはわからない。私は白金でもアダマンチンでもなく第五教義の塔に属している一介の学者にすぎない。ただ1つ確信しているのは、エリンヒルのファラスタスによって提唱された学説はどれもほぼ確実に間違っているということだ。


亜熱帯のシロディール:推論

この本の画像を全部見る

「ランセル王の激昂」

ランセル王の激昂

ワフィムレス・マスタレット(語り部)著

563年、ウェイレスト第二王朝の成立の後、若き王エメリックは妃となる女性を探し始めた。彼が最初に選んだのはショーンヘルムのランセル王の娘、レイエルだった。しかし結婚の契約が完成する前に、エメリックはセンチネルのレッドガードの姫マラヤと結婚してしまった。これは各地をまたいで多くの国に衝撃を与え、詩人たちはすぐにマラヤの魔法のごとき美しさを歌った。しかし、戦略家たちはこの行動をハイロックとハンマーフェルとの間の貿易を強めるためのものと捉えた。566年に行われたエメリックの結婚式の後、ハイロックは貿易の黄金期に突入した。3ヶ月過ぎると、ハイロックは血なまぐさい内戦へと突入した。

リベンスパイアーはハイロックの辺境として知られている。ランセルは強情な丘陵部の人間、北方の子供であり、気難しさと粗暴な規則を設けることで知られていた。エメリックの侮辱は彼にとって堪え難いものであった。タムリエル北方で最も無愛想な傭兵の軍団と、彼自身の民からなる軍勢とで、ランセルは山を駆け下り、イリアック湾へ向かって大々的に突撃した。エメリックは不意を突かれた。彼の獅子の守護団が必死に防戦したため、かろうじてウェイレストの壊滅だけは免れた。ランセルは短時間での決着を望んでいたが、長引く攻城戦を強いられることになった。

長期にわたる攻城戦は春まで続いたが、リーチの民の侵略の終結時にすべてのブレトン王国によって交わされた、相互防衛の盟約であるダガーフォール・カバナントがついに発効し、カムローン、エバーモア、ダガーフォールが戦いに引き込まれた。ウェイレストを諦めるよう進言する者もあったが、この地域で最も裕福な都市との貿易はあまりにも重要であったため、それはできなかった。街と周辺の田園地帯から攻撃を受けても、ランセルの軍は持ちこたえた。彼の傭兵たちは十分な支払いを受けていたし、流血にも備えていたからだ。しかし紅帆の船団とレッドガード上級戦士の軍団が湾岸から到着すると、流れは変わった。ランセルの勢力は壊滅し、ランセルが帰還した時、ショーンヘルムはすでに炎上していた。これはクログ・グロー・パグラクの血の支配のもとにあったオークたちの仕業った。

ブレトンの槌とオークの金床の間に挟まれ、ランセルの部隊はマルクワステン・ムーアの戦いで完全に消滅してしまった。ランセルはエメリックの抜け目のなさを考慮に入れていなかった。ウェイレスト王はロスガー山に特使を送り、もしオークがショーンヘルムの憎き敵を攻撃してくれれば、彼らにオルシニウムを返還しようと約束していたのだ。リベンスパイアーや略奪され、オークたちの中には135年ほど前にブレトンがオルシニウムを没落させた攻撃を、ショーンヘルムのブレトンたちが導いたことを覚えている者もいた。その借りはショーンヘルムへ完全に返された。ランセルの戦争はダガーフォール・カバナントの今日の状態を打ち立てた。ストームヘヴン、リベンスパイアー、ロスガーには、この出来事が拭い難い印象を与えた。


ランセル王の激昂

この本の画像を全部見る